KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年7月号
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30有馬温泉は、神戸l芦屋I西宮市街の背面に連なる国立公園六甲山の北側lつまり裏六甲の山ふところ深く秘められた泉郷です。海抜千三百尺の幽逮境に立ち、数億年前に六甲山塊が衝上げたときの断層線に沿って八つの泉源があり、摂氏九八度の熱泉をはじめ炭酸泉、ラジウム泉など多様の温泉があり、また炭酸ガスが噴出するところに烏地獄、虫地獄が見られます。一つの温泉地でこのように多種の温泉が出るのは世界中稀だといわれています。代表的な名所l昔から詩歌にうたわれた『つづ承が滝』は、奥まった山ふとごろだけに、いかにも幽すいで水清く夏は河鹿が鳴き何ともいえぬ風情です。付近には子供遊園地、バンガローなどもあり、新緑や獅葉じぶんの美しさはたとえようがありません。有馬/神戸雲

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