KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年6月号
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をいっしょにしてもらいました.きなキャフェがあるんです。キャフェといっても日本でいう大きな喫茶店そいつの大きなのが幾つも通りに面しているんですが、夕方となれば、こうしたキャフエにマルセイユの人たちが集ってくる。実によく喋舌り、よく飲むんですよ。たいてい食前に飲むのは・ヘルノーとかアニスとかいう酒(むかしのアブサント)なんですが、これを飲承ながら大いにお喋舌りを楽しんでるんですよ。とても賑やかでユーモアたっぷり、大阪人気質とよく似たところがある。この辺は神戸の人の雰囲気とはかなり違いますがね。とにかくマルセイユ人は、朗らかで、お人好しで開けっぱなしパリ人にくらべるとまったく人がいいんですょ松井陽気な人種なんですね。神戸とは大分ふん囲気が違う小松神戸はむしろホンコン的かな。また、マルセイユには、世界各国の人がきていますからね、異国人がすぐアト・ホームな感じをうける。コスモポリタンで開放的ですよ、大体マルセイユの人で純粋なフランス人というのは約三分の一でしょうね。あとはほとんどがイタリーやコルシカ、ギリシャスペインの近東人、アラビヤ人の血が入ってますおいしいブヤベース松井食べ物はとてもおいしいそうですね、有名なのがありますねあるいは国際的な伝統があるわけですよ小松マルセイユにメインストリートが一つあるんです。港から真っ直ぐ北にあがったところなんですが、そ〉で伝統がないといわれるのですがでも寄り合世帯、つまり汎日本的」には両側にホテルや大小松ブイヤベースでしょう。魚のゴッタ煮で独特のスープふたいなものなんですが、いろんな魚をいれますね。香料にはサフランや月桂樹の葉やカレー粉をいれたりしますが、これはマルセイユ第一の名物ですね松井ほかにどんな料理がありますか小松マルセイユ料理というのはバラエティがそうないんです。魚料理や貝料理の他に、イタリア風のスパゲッチヤラビオリなどあるが。まあ美味いのは魚料理とゑていいでしょうね。ニンニクはうんと使いますね。だからマルセイユ人はニンニク臭くて堪らないという人があります。にんにくが入ってなければ食べ主せんからね。僕の好きなのは生ウニです。港の波止場に行くと、生ウニをレモンをかけて立喰いしている人たちがたんといます。パリでも食べさせますが、マルセイユほどうまくありません。パリでは一流のレストラン(生ウニは飛切りの精力料理だといわれています。)マルセイでは道端で普通の市民が立ち喰いしています松井ウニそのものの味は、日本のと変らないんでしょうね小松あまり変りませんね。だから日本のウニのピン詰めを、ランス人はとても重宝がりますよ。フランス人にトースト・パンにウニをぬり白ブドウ酒を出すととても大喜びですよ。フランスを中心として諸国へのウニのピン詰め輸出は大丈夫うけると思いますよ松井おいしいですものね。ブドウ酒の話がでましたが、アチラのお酒の味は……″など日常茶飯事で、たいして問た。フランス人は〃H〃の発音をしませんから、ホテルがオテルと26仕)にチップをはずんで、テーブル思っていると、指輪のダイヤも本物らしいし、それにシャンパンを美人を見かけました。商売女かと題にもならないようです。ある日本人がキャバレーで、すばらしい答えたそうです。ああ(誰にで坊)にお乳をやる時間なのよ」とすが、パリに行けば〃人妻の浮気り仕度をはじめています。驚いた″になったのは有名な話です.さて、うずくような一夜があけました。時計を見ればまだ七時前だというのに、彼女はせっせと帰なる。イペット・ジローが日本語で歌ったときも〃ハナ″が〃アナそれから先はいうのもヤボ、適当に意気投合して出かけたところジヤンジヤン注文しているところなど、とてもそんな女には見えません。それなのに、さかんにウインクをおくってくるのです.そこ日本人が「なぜこんなに早く帰るびんくこ-な-/一、TLノのは小じんまりしたで勇気を出して、近ごろは日本でもテレビの〃よろめき番組〃に胸をドキドキさせている奥さんがふえて誉』たようで)サセ・パリ。ノ、?」と聞くと「でもべぺ(赤ん″オテル〃でしギャルソン(給32

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