KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年5月号
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生駒六甲山は、迷路が多いので予定表を見ることと。必ず何か釣じるしを覚えておくことです古泉神戸の指導標は完壁で、全国でも珍しいんですが、念には念をいれましょう森いちばん安全なのは、尾根伝いに歩くことですね生駒六甲山は岩がモロいので、素人の方は決して岩登りをしないよう注意してほしいですね。とくに地獄谷は危険ですよ柏田沢歩きといって谷に添って登るのも事故の因ですから避けることですね、地図で渦巻きの間隔が狭まいところは急な場所ですから気をつけてください司会地図の話がでましたが、地図で距離を読むのは縮尺図を一.五して、さらに二倍するんだそうですね。一・五倍は傾斜度で、二倍するのは屈折、つまり曲がりくねった分になるそうです。東西南北を知るのは、やはり磁石だけですか玉木そうですね。このほか時計で知ることもできますよ生駒短針にマッチの軸を立ててそこにカゲを落して見るんですがマッチのカゲが短針と十二時の間の方向が〃南″です柏田気をつければ、木のシゲミをゑてもわかるんですよ、シゲミのたくさんある方が南です。つまり陽の当たる方だけが太るわけだから大渡切株などもこえてる方が南ですね福本神戸の場合はそんなに専門的に考えなくても、尾根筋にあがればすぐ方向がわかりますよ.南は海ですからね(笑)森早いのは、人を探して道をきくことですね司会山のエチケットは:.柏田〃人に迷惑をかけない〃という一言ですね吉川常識的ですが自然をいたわり、むや承に木や枝を折らないこと小山お酒を飲んだりバカ騒ぎは禁物ですね司会最後に〃山の魅力″は、実際に登って承なければ理解できないってよくいわれるのですが、登山歴二十年という森川さんいかがですか森川やはり山の良さは、山に登らない方にいくら言ってもわからないでしょうね。「なぜシンドイ目をして登るのか」とよくいわれますが、たしかに自分でも「なぜこんなエライ目して登るんだろう」と考えますね.もう二度と登らないlと思うんですよ。ところが帰えるとまた登りたくなるんですね。その山の魅力は自分でもまだハッキリわかりません、でも苦しんで初めて頂上に立ったときの気持はなんともいえませんね。まさに〃お山の大将″です。とにかく山に登る人には悪人はいませんね、ゑんな善人です。聖書にも「山に登るものは何か。それは心の清きものなり」とありますが、そのとおりですよ司会つまり山の魅力は、行かないとわからない。文句をいわずに一度山へおいでなさい。そうすれば山のよさがわかるでしょうIということですね(笑)山の彼方には何かアルファがあるんでしょうね。ゴー0、、』"一J、,。、少・P"0,へ、MPJグーバも0F一""ロ、6,ーQルハ戸、、bqJE一F90W,〆『"小6,ー、BJFoへ1もM"=角rUもW,孝』"ハも~nnFpQ戸、10MF一r0bQU増グ『"ハヘ、11F"ダーJ6,MーFPU,、~、lオハデ、UbMrゴーfU0Lf蛤ジロタ,、h~QDFJf〆、ロ、W"一クハno,ジ②メリケン波止場l海岸通りメリケン波止場からスタートしても、あるいは大丸神戸店の東を真直ぐ南下してもいい。この神戸港海岸に沿って東西にのびる道路ほど、エキゾチックなムードを与える場所は少ない。もうすぐ初夏を呼ぶユカの花が咲く。午後の静かな陽ざしを浴びながらプラタナスの舗道を歩くのもいいが、やはり情緒のいちだんと増すのは夜だ。街燈の、光りの輪をよけながら、潮風に身体のほてりを冷やすとき切ないまでの慕情が新らたにつき上がるはず。すぐ身近かに港の鼓動が聞こえ、碇泊船の灯と、哀愁のこもったホイッスルが胸をしめつけるだろう。波打ちぎわは文字通り恋の闇路。高ぶる感情をゆるやかにささえるように、波の打ち返すリズムも効果的.月夜ならいうことはないが、暗いほうを好むムキにも、自信をもって推せんできる。少し東へ足をのばせば、岸壁のところどころに〃天国への階段″もあり、降りようと降りまいとご自由だが.泣きぬれて砂とたわむれることも可能だ。この二コース。市内の手近かなところがミソだが、ムードなど不要という人は、ズバリ六甲、再度の山、須磨舞子の海へ〃探険〃なさるのが早道だろう枕も豊富。山上の展望台から神戸全市を見下しながら「ああ、黒い煙と黄色い煙が、ホラ、こんなふうによじれ合って.:」などと、デュエットを奏でるのもご自由。夜ともなれば百万ドルのホタルかご散りこぼれるダイヤモンドがキット君たちを酔わせてくれるだろう1331
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