KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年5月号
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戸の酒倉から送ってくる酒のカスはとてもおいしいね。本格的な味がします漠。めったに自分の作品が上演されるからって、劇団の人たちと行動をともにすることはないんだが、青年座の神戸公演には行をともにしました、仕事のスケジュールの、岩都合がよかった妄」ともあるが、やはり神戸が好きだからいっしょにやってきたんだろうな。僕の書く小説の舞台にも神戸はよく出てきますよ。「美しい女」などもそうだしね。また二、三年前から計画し、やがて書き始める小説(題名未定、新潮社から・出版の予定)にも、神戸が出てきます。その小説の取材のためにも、また何度も神戸にやってきますよ。僕のふるさとは姫路だが、それにもまして神戸ってとこは大好、きですよ。若いころ、昭和五・六年になるかな、山陽電車に働いてたことがあり、当時は西代の方で下宿生活してました。だからその頃の友人がいまも神戸にずい分いましてね僕の書いた劇が神戸国際会館で上1121神戸を語る椎名鱗一二演される時などは、そうした友人がそろって観にきてくれるんですよ。うれしい友情ですね。山と海l自然の美につつまれた神戸は住むには快適な都市ですねとくに何処が好きだと聞かれると困るけど…終戦直後のゴタゴタした頃にくらべ最近ぐっとよくなった三宮を中心とした周辺が、僕のよく歩るき、かつ愛している場所かな。もっともアルコールに強いので自然と、神戸にくるとそうした店の並んだ三宮辺をうろつくことになるんでしょうね。なかなか気の利いた、フン囲気のよい店が多ぐ、ごきげんだよ。食べ物では牛肉もおいしいし、魚も新鮮で、しかも安いのだから神戸の人は恵まれてますね。灘五郷で知られるだけあって神踏杢◇し碑姫路市出身、かっては山陽電車に勤めてらしたという作家、椎名麟三氏は、大の神戸ファン。〃大衆的なフン囲気が好きだ〃とおっしゃるだけに、庶民的で活気のある三宮近辺がごひいきです。四月末日、お仕事の都合で来神された先生は、三宮某酒場でお好きな洋酒を傾けながら「神戸礼讃論」をきかせてくださいました。賎露:霞爵蕊燕:::罰・蕊叢燕議霧
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