KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年4月号
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え知らない。手配師にまとめて与れ、現在に至っている。その程度の事は私も海運記者の常識で知っていた。だが、下請業者、とくに二次下請業者と元請業者の勢力が神戸港を中心とした市政にまで浸透していた事は想像できなかった。公衆電話が眼にはいった。私はM新聞の若い記者が検数協会からアンコ死亡を確認したという事を思いだした。八そうだ、十二日に荷役があったK運輸関係で死亡がでるほどの事故があったか物資の荷役量をさばくために、再び復活してしまった。勿論、米軍港湾司令部がオリエンタルホテルから引揚げた後も、この体系は港湾労働の必要悪といった形で残さ関するコンファレンス・メモによって禁止されたのだっ手配師は三次下の集配を命じられたりで浮浪者と紙り込む。だからアたが、二十五年の話料を差引き、残額を等分する方式である。して、るかという事さ※“このような労働あなたはどんな楽器がお好きですか。バイオリン?チェロ?コントラバス?ギター?バンジヨウ?マンドリン?バスト、ウエスト、ヒップという〃三段とび〃の曲線では〃バイオリン型″まさるものはありますまい。ただし、請会社の小頭という荷役係からアンコ、人数を三ノ宮駅前の広場や排天浜あ一重の連中を集めてきて作業現場に送ンコ達は自分達の労働賃金が幾らであせん.ときにはボンボンと軽くたたいて承たくもなります。キミ、キミ、いったいマンドリンというのは〃弦楽器″なのかね。それとも〃打楽器″なのかね。コントラバスやマンドリンが〃弦楽器″なのか〃打楽器″なのかは、むつかしい問題です。ここでご注意が肝心なのは、ツボを押しまちがえると〃管楽器″にもなることです。流れでる調べはl〃へ短調″(T)PINKCORNER1以下次号I1501朝鮮戦争によって、急に増大した戦時体系は、終戦後、GHQの港湾労働に火えられた賃金から手配師が世そのサイズが問題です。キング・サイズ時代にはコントラバスのボリュームが愛されました。その時代の〃名器″としてフランス製の〃マリナ・ヴラデイ〃をあげることができます。ところが、トランジスター時代になってから見直されてきたのが、他の小型楽器です〃膝にバンジョー〃という歌もあるくらいですから、何よりも〃膝に抱ける″というのが最大の強味でしょう。ことにマンドリンのふくらゑ加減といったら、いくらなでまわしてもあきることがありまいわゆるドンブリ勘定と称どうか先に洗っておくべきだ。K運輸に行ったところで組の者が喋るわけはないんだしVと思った。元請から三次下請業者、手配師にまで及ぶ従属関係は、業者が相互に隠し合っている。動員荷役能力が明確になると、月末月始めの忙繁時に於ける仕事の量が船会社や倉庫業者によって配分される心配があるからだ。波止場ではクイックデス。ハッチ(早荷役短時間出港)は総ての事に優先して考えられている。法よりも人間の生命よりもクイックデス・ハッチは大切なのだ。これが港に起る事件の最大の原因になっていることは勿論である。私は電話機のダイヤルを廻しながら、私が知っている範囲から想像できる波止場の機構を考えた。

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