KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年4月号
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屯伝統あるお店洋品雑貨元町2丁目サノヘ46昭和六年に開店いらいずっと〃元町二丁目〃で、伝統あるシニセを誇るシックなお店、お客さまも、落ちついた渋味のある中年層が多い。元町には六十年近く住んでらっしやるというご主人、佐野平吉氏(犯)は、現在の雑貨業界では最古参者というが、いまも元気に自らお店の陣頭指揮に当ってらっしやる。日本人ぱなれのしたエキゾチックな風貌に、ア力抜けしたセンスの良さがうかがわれるが、こうしたご主人の人柄が反映してか、お店の雰囲気はミナト神戸にふさわしく、エキゾチックなムードがいっぱい。奥行きのある十三坪の店内に美しく飾られたセーター、ネクタイ、ハンドバッグ、玩具など何百種類もの雑貨は、ほとんどが舶来品l欧州もの。アチラの特定の店と契約して仕入れてらっしやるそうでキイホルダーなどの小さな品にもこのお店ならではのシャレたセンスがあって、楽しい気分にさせてくれる。お客さ王は、三代も続いているという固定したお客さまが多い。亡くなった古川ロシバさんが「親父さんたっしやかね」と、よく買い物にこられたとか.新珠三千代司葉子、岸恵子さんらの女優陣をはじめ、宝塚の生徒さんたちにも人気がある。お店を切りまわしてらっしやる芦原マネージャーは、なかなかの勉強家、「品物の置き方などを学ぼうと、この間香港まで行きましたが、店のスケールが大きいのには驚きました。私どもではたえず流行に気左使かい、品物も流行に添うよう仕入れてますお客さまには、落着いて静かな雰囲気の中でお買い物していただけるようにと心がけてます。店を本通りを避け少し南を選んだのは自家用車が横づけできるようにと思ったからです」とお客さまへの細かい心づくしも忘れない。(写真はエキゾチックな神戸のムードがあふれる店内)

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