KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年4月号
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にいうと、棒でなければならないのですが;….まだ交通が不便なアメリカの居酒屋は、西部劇で承かけるように客は馬や馬車に乗って酒を飲承に来たのでその馬をつなぐために酒場の前には高さ上mくらいの横木をしつらえてあったのです。そして、これが当時では酒場のシンボルとなっていました。しかし開拓魂(フロンティア)に燃えたヤンキーは見事にこの片田舎のような街を発展させ、やがて鉄道が通り、自動車が走るようになると、この横木を持てあますようになってきたのです。とはいうものの、せっかく酒場のシンボルになっていたものだからというので、とにかくそれを店の中に持ち込んではゑました。天井から吊るそうか、片隈に立てかけようかあれこれ考えたあげくハタとひざをたたいて横たえたのがカウンターの下だったのです。「馬のかわりに人間をつなごう〆.」というトリスバーの止まり木にチョコンととまってハイボールやカクテルをたのしむとき、話のタネとしてもおもしろく、悪友をケムにまいたり、チョイと女のづをウナラせる洋酒の知識、しかもスマートな短かい話を、これから毎号続けてまいります。よろしく。今月はまず「バー」について一席。この言葉、「棒」(国シ閃)という英語からきているのですがこれが「酒場」とどんな関係があるのか、ナゾ解きを始めましょうバーへ入るとカウンタiの前でスツール(足の高い椅子)に腰をかけ、足を一段と高い所にのっけてからオモムロに「マテニー」とかいうわけですが、いまのバーはそのほとんどが、お客に足をふふはずさせないよう気をつかって、この足ののせ場を板張りやコンクリート塗りにしたり、スツールの下のほうに足をのせる台を取りつけたりしています。これは語原的洋酒はなしのタネ藤本義一画・佐々木侃司句■「カクテルの王様」といわれ、世界の人気z己。最も古くから知られています。とくに辛党のかたに喜ばれ、ジンのシャープさ、ベルモットのホロニガさのミックスを冷たいタッチで味わえるのがマテニーのダイゴ味です。ヘルメス・ジンヘルメス・フレンチベルモット粥これだけを氷のカヶラとともによくかきまぜ、カクテルグラスについで、最後にオリーブーコを底に沈めるとでき上ります。魂胆。その名案が実を結んだかは承なさん、グラスを傾けながらトックリとお考えください。これが酒場のことをバーというようになったイキサッらしいのです。お粗末。凶マテニーI(三麹.吋重二一(〉(〕(診丙竜二』)1441

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