KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年4月号
36/58

132、福富、河野年とった方が、ハデなの着てるのはいいですよ(笑)芳賀ところが、そういう習慣が早く許されるようになりませんとね。だれもやりたいんですがね。松井そういうことですね、何か古いままの形を、何んの疑いもなく受けついできてるんですね。芳賀それで笑われるんですよ。四、六時中、黒い洋服を着て何がおもしろいのだろうってl福富昔の服装史をふますと、男性の方が、ずっと楽しくて、自由でしたね。それが十九世紀頃ですか、イギリスでいまのセピロの型ができてから、それが今だに変わっていないんですね。河野もう変えてもいい頃よ・松井男子の夏の服装なんて実に中途半端ですよ.白のワイシャツを着ているけど、色どりはないしおまけにネクタイをしめてますでしよ.大へん奇妙ですね。室賀ネクタイはですね、着るときによってしめたり、はずしたりすればいいわけでして、やはりちゃんとした会へ出たり、仕事をするときにはしめるべきです。セビロが民主々義社会の社会人としての服装という通念になっているんですね。だからそういう一つの決まった形をしておれば、安心というか、安定といいますかね一応、社会人の服として通用するというものをゑんなで考えたんじゃないでしょうかね。芳賀つまり、月給取りのシンボルなんですね(笑)松井別にネクタイをとらなくてもいいんですがね。一応の常識というものが、くづされない範囲においてならば、もっともっと自由な服装をさしてやるべきだと思いますね。何か着る方も周囲をゑて着てるし、また日本人はあまり人のおしゃれについてお節介をしすぎると思いますよ。まずおしゃれの基本は〃人のおしゃれについてとやかくいわないこと〃ですね。その人の常識において社会との調和を保っていくという-そういう常識を持ちたいんですが、いまの日本では制約が多すぎて、服装を楽しむというところまでいきませんよ。包装にバーフエテイ河野何んでもないことだけど、包装リボンの結び方一つで随分商品の感じがかわりますわね。贈り物の時期などには、特にシャレたリボンの結び方を、研究してくださるといいんだけど…松井ほんとうですね。そうしたサービスは大切なことですよ。芳賀東京ではやってますね。リボン係りというのがありましてキレイに結び直してくれるんですね。福富外国の百貨店では、リボンをかけて美しく包装してほしいときには、そこでお金を出すとすばらしい包装をしてくれます。もっともお金がかかりますけど(笑)芳賀お店の人たちが、もっと私たちの相談相手になっていただけないかな。河野そうね。例えば、合成繊維だと、何と何がまざっていて、どうやって洗えばいいのかってこちらが聞けば、ちゃんと教えてくれるような知識ぐらいはもっていてほしいですね.福富ゆきとどいたサービスをLいとかいうんじゃなくてね。・大阪ってところは、その洋服がいいと思ったら二人で一、同じのを着て歩るくでし.ょp神戸の人はそれをしませんね。同じ布地を買っても必ず何か違うものを作ってるわ。大阪じゃ二人薄みって歩いてるのを向い手‐しょっちゅう見ますよ。.・芳賀神戸は個性的な〃ですね室賀たしかに神戸のセンスは、ア力抜けしていますね。〃ふなと町〃として栄えたところだけに外人の影響を受けているんでしょうか。おしゃれの感覚は発達していますし、それも自然に磨かれているって感じで、ゑんなとても着こなしは上手ですよぼ↑しい自由なスタイル松井男子の場合ね、銀行などへ行くと、キチンとした服装に抵抗を感じるんですよ。モーーーングなどにはアナクロニズムっていう感じがしてね。そういう約束ごとだとか、風習というものに対してもう少し改革の余地はないものでしょうか。もっと自由で、好、ぎなことをすればいいと思うのですがね芳賀エリつきのネクタイをしめるのは、ビジネスだけで、その他はネクタイがいらなくなるんじゃないですか。室賀アメリカでは、ウイークデーは、キチンとした服装をしてますが、ウイクエンドは、すっかり変ったらくなかっこうをしてますね。芳賀ゴルフなどする人は、平気で赤シャツ着て事務所などから出てきますがね。

元のページ 

page 36

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です