3月号

Movie and cars |フィアット124(スポーツ)スパイダー
『ある日どこかで』 原題: Somewhere in Time :主演 クリストファー・リーヴ
登場車両: フィアット124(スポーツ)スパイダー
Fiat 124 Spider
文・株式会社マースト 代表取締役社長 湊 善行
脚本家志望のリチャード(クリストファー・リーヴ)の処女作上演後の祝賀パーティー会場で品のいい老女から「帰ってきて」と不思議な言葉と手渡された懐中時計から物語が始まる。老女は大学近くのグランドホテルの自室に戻るとリチャードの書いた脚本を胸に思い出の曲(ラフマニノフ)を聴きながら息を引き取った。8年後、リチャードは執筆に行き詰り、愛車フィアット124スパイダーと行先のない旅に出る。旅の途中、引き込まれるように入ったホテル「グランドホテル」。ホテルの歴史資料館の額に飾られた美しい女性の写真に見惚れる。68年前の人気女優エリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)。エリーズに魅了されたリチャードは自身が68年前にこのホテルに宿泊している証拠を見つける。タイムスリップを確信したリチャードは68年前に戻りエリーズに逢おうと試みる。時空を超えて運命の二人はめぐり合えるのか。魅力的なエリーズ、古き優雅なリゾートホテル、全編にラフマニノフの曲が美しく切なく胸に染みる。ゆったりとした時の流れを感じながら103分の時間旅行。
グランドホテルは1887年に開業されたリゾートホテル(マキノー島)、現在も営業されており毎年「Somewhere in Time Weekend」が開催される。
フィアット124(スポーツ)
スパイダー
1966年~1985年、20年間生産される。ピニンファリーナデザインの2ドア4座スパイダー、ピニンファリーナスパイダーなどと呼ばれフィアットの大ヒット作。肩を張らずにイタリア車を楽しめる。スパイダーの解放感、イタリアンテイストの内装、優れたデザインのエクステリア、小気味よく回るエンジンサウンドにひたりながらドライビングを楽しむ。ふと気が付くと1970年代のイタリア郊外に導いてくれる。程度のいい車両は入手困難である。2016年に発売されたNEW124スパイダー、アバルト124スパイダーは、2020年に生産終了となったが、こちらはまだまだ入手可能。

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